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導入事例紹介

 

●組織活性化プログラム
<導入事例1>報告者:人材コーディネーター 東条 麗華
【株式会社キタヤマ製作所】

社員に覇気がない。それは社長、あなたの所為です。

株式会社キタヤマ製作所の社長、北山修氏との出会いは、私が講演した「経営者向け人材セミナー」の会場だった。セミナー終了後、北山氏は、「うちの社員は、真面目によく働いてはくれるが大人しいというか覇気がない。自ら考え実行する自立型社員へ成長してほしいのだが」と、組織の活性化に向けた教育研修を依頼してきた。数日後、私は、同社に出向き、社員の表情や動き、職場の雰囲気をつぶさに見た。原因は社長にあると確信した。

Part1)社長が社員のやる気を削いでいる。

●1年かけた若手社員活性化研修プログラムがスタート。
株式会社キタヤマ製作所は、北山氏が一代で築き上げた社員数150人ほどの精密機械部品メーカーである。北山氏は明るく行動力があり、テキパキと仕事をこなし、素早い決断で、社員をぐんぐん引っ張っていく。まさにできるタイプと言えるだろう。
同社工場の工場長は60代だが、現場の要である班長は、北山氏が期待する若手社員が務めている。北山氏は、この若手社員が自立型リーダーとして成長することを望んでいる。北山氏は、いろんな人材教育機関やコンサルタントに、人材活性化のための施策を依頼したものの、今のところ思った成果は得られていないという。
「私がこれだけチャンスを与えているのに、なぜうちの若手は応えてくれないのか。わからない。もうどうしたらいいのか、わからないんですよ!東条さん、なんとか彼らをやる気にさせていただけないでしょうか!!」北山氏の強い求めに、私たちのキタヤマ製作所社員活性化に向けた、研修プログラムがスタートした。

●ものを言いすぎる社長、もの言わぬ社員。見えてきた問題点。
まず私は、北山氏に社員の現状について、率直に感じていることを聞いた。
「会社のため、社員のため、私がこんなに頑張っているのに、どういうわけか反応が薄い。言われたことしかしないし、こっちが注意すれば、黙るか、言い訳ばかり。当然、自分から進んで報告や連絡、相談してくることもない。」と北山氏は嘆く。そして「結局、職場のことも何もかも、私が決めなければ動かない。少しは自分たちで考えてほしいのに」と訴える。
続いて私は、全社員へのヒアリングを行った。そこで聞き出したのがこれらの言葉だ。

「職場内で解決できる問題でも、社長が独断で決めてしまう」
「社長には何も言えない。言おうとしても聞いてもらえない」
「何をやっても、社長は見てくれていないように思う」
「社長の思い通りに動いていれば、責任を持たなくてすむ」


ヒアリング当初口が重かった社員たちが、一旦話し始めるとせきをきったように話し続ける。中には涙ぐむ社員もいる。その姿を見て思った。「彼らは自分の考えを話したがっている。決して何も言いたいことがないわけではない。ただ、日常的にじっくり話を聞いてもらっていないから、言えなくなっているだけなんだ」と。
北山氏と社員の言葉を総合して浮き彫りになった問題点は、独断専行型の社長に振り回される社員、その結果の、社長と社員の絶望的なコミュニケーション不足。これでは、社員に元気を出せ!といっても無理だろう。

この難題を、どうやって解決し、自立し能動的で元気な若手リーダーを育てていくか。私のやる気に火がついた。