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導入事例紹介

 

Part2)社員を変えたいなら、まず社長が変わらなくては。

●社員をその気にさせる<社長5ヶ条>。
自立型社員とは、自ら考え能動的に動く社員のこと。北山氏の望む社員像だ。では、どうすれば動いてくれるのか。それは、“面白そうだな、楽しそうだな”。“これをやれば、自分のためになる”⋯という思いを社員に持たせること。つまり、“その気”にさせることだ。北山氏との面談の中で、
東条「社長、社員を“その気”にさせるには、どうすればいいと思います?」
北山氏「これまでいろいろ試してきたけど、効果が上がらない。どうしていいかわからないから、あなたにお願いしているんでしょうが!!」とちょっと逆ギレされた。

そこで、社員を“その気”にさせる<社長5ヶ条>について話した。

◎第1条:社員は社長のカガミと心得るべし。
(社員が暗い会社は、社長も暗い。社員がハツラツとしている会社は、社長もハツラツとしている。)
◎第2条:社員教育は、人事や現場任せにせず、社長自身の仕事と心得るべし。
(ここでいう教育は理念教育のことであってスキル教育のことではない。会社の理念、将来ビジョン、社員への期待・・・これらを伝えるのは社長にしかできない。「年始の挨拶で言っています」とか「社内報で伝えています」ではなく、日々言い続け社員にきちんと浸透させることが大切。)
◎第3条:社員が“その気”になる仕組みをつくるべし。
(頑張って成果を上げた部署や社員には、給料や賞与を弾むなど、頑張ったことが実感できる仕組みを考えるべし。)
◎第4条:社員のホンネを受け入れる勇気と、自分を変える勇気を持つべし。
(社員の厳しい意見、耳の痛い提言に耳を傾ける勇気もさることながら、それを受け入れた後、一歩踏み出す勇気、自分を変える勇気を発揮することが、自立的社員を育てる。)
◎第5条:自立的社員をつくることに“本気”で取り組むべし。
(社員の本気、やる気を引き出し、無限の可能性を開花させるのは、社長の“本気”の姿勢しかない。)

人に関する問題を抱えている会社の社長はまず間違いなく以上の5ヶ条を実践していない。私は北山氏に、「社員を変えたいなら、この5ヶ条を必ず実行してください」と迫った。北山氏は、メモした5ヶ条を一つひとつ確認し、「自分ではしてきたつもりなんだが⋯」。すかさず私は「つもり、では、ダメなんです」。畳みかける私の言葉に、北山氏はしばらく考え、「わかった」と。


●社長は黙って見ていてください。
続いてプログラムを遂行するにあたり、私は、北山氏に新たな条件を出した。「このプログラムが全て終わるまで、社長はなにも言わず、黙って見ていてください」。
すると北山氏は、「それは無理だ。この5ヶ条にも、社員教育は社長がすべしと書いてあるじゃないですか」。
そこで私は、「これまで会社の些細なことまで、全て社長が決めてきた。社長は社員の意見を聞いたつもりでも、結局は社長の意見を通してきたわけです。だから、御社の社員は、ものを言わない、意見は出さない、指示待ち社員になってしまったのです。このプログラムでも、社長が表に出てきたら、社員の方は萎縮して、結局何も変わりませんよ。社長が黙って見ている。この社長の変化をまず示すことが大事なんです」。
北山氏は、渋々頷いた。