●他者から見て、10点満点の自分を目指せ!
ちょっとした事件が起こった。恩田君との約束の期日の翌朝。私は恩田君のことが気になって下出氏に連絡を入れた。「恩田君からの提案ありましたか?」答えはNO。
下出氏によると、顔を合わせる機会がなかったわけではなく週末も別件で30分ほど話をした。にもかかわらず恩田君はPJのことを一切口にしなかったとのこと。それを聞きながら、私は約束をした時の恩田君の晴れやかな顔。その報告を聞いたときの社長のうれしそうな表情・・・いろんな場面が目に浮かんで複雑な気持ちになった。その日の夕方、外出先から帰社してメールを確認していたら、そこに恩田君からのメールがあった。そこには「1日遅れではあるが下出氏に意志を伝えてOKをもらったこと」「週末に下出氏に会ったときに言い出す勇気が持てなかったこと」「家に帰っていろいろ考えていた時に中司の顔が浮かんで再度月曜日に話をしようと思ったこと」「報告が遅れて申し訳なく思っていること」などが書かれていた。私は早速恩田君に連絡をとって、「納期に間に合わなければ仕事としては0点。それに対する言い訳は無用。ただし、勇気を持って自己主張できたことは評価できる」と伝えた。「はい!」電話口の向こうで力強い彼の声が聞こえた。
フォロープログラムも後半に入り、恩田君は組織の中で自分を活かすことに前向きに取り組むようになってきた。特にPJへの参画が決まって以降、自分自身の印象=会社の印象であることを意識し、挨拶や態度を努めて感じよくできるようになってきた。
そして、最後の面談の日。恩田君による問診票の自己評価は10点満点。上司の下出氏は7点。入社当社から比べると恩田君の変化は認めているものの、まだまだジコチュウな性格はなおっていないし、空気をよめないところもある。今後の期待も込めてという意味での7点。このことを伝えながら、「上司やお客様などいわゆる他者からみて10点を目指せ。自分を甘やかしても意味がない。志を高く持って周りに自分を認めさせるんだ!」と伝えて彼を見送った。
今彼は出向先でPJの主要メンバーとして活躍していると聞いている。
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