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導入事例紹介

●早期戦力化プログラム「READINESS」
<導入事例2>報告者:人材コーディネーター 中司 秀樹
【株式会社キャップ・コミュニケーション:恩田 大輔君】

オレ様新人を変えたのは、ひとつの約束だった。

恩田大輔君は、ゲームソフト開発を事業とする株式会社キャップ・コミュニケーション(以降キャップ社)が、9月にはいってようやく内定承諾書をとりつけた唯一の内定者。「社員教育は今まで社内で対応してきたが、初期教育はプロにお願いしたほうがいい」という社長の判断のもと恩田君をREADINESSに送り込んできた。彼が参加するのは、ウォームアッププログラム(内定者研修)3日間、スタートダッシュプログラム(新入社員研修)2日間、レビュープログラム(ビジネスマナー振り返り研修)1日、フォロープログラム(入社後8ヵ月の間に3回のフォロー面談)。事前のヒアリングでは、キャップ社社長は恩田君のことを「適性診断の結果も積極的で意欲満々。いい子が採用できてよかった!」と絶賛。それなのに・・・

恩田君は初回セミナーにただ一人遅刻。謝罪もなく、悪びれた様子も見せない。おまけに他社の受講者とは打ち解けられず昼食時もポツンと一人でいる・・・。などコミュニケーション上の大きな問題を抱えていたのだ。

Part1)挑戦的で反発心旺盛。これを正のパワーにしなくては

●仕事ができればいいんだろう。何でこんなセミナーに⋯。
READINESSの公開プログラムは、さまざまな企業から参加者が(1名~5名程度)集まり、1クラス20~25名で実施している。講師は、私の上司、東条麗華があたった。
恩田君の参加したウォームアッププログラムは「ベーシックコース(3回)」で、各回のプログラムのテーマとねらいは以下の通り。

1回目:「成長へのプロローグ」:自己成長のためのキーワード「本気」の意味を理解し、各セミナーに「本気」で取り組む基本的な心構えを形成する。

2回目:「『自己発見』から『自己発揮』へ」:自己成長のために必要なありのままの自分を受け入れる「勇気」と、組織で活きるために必要なコミュニケーションのあり方を体験的に学ぶ理解する

3回目:「『学生』から『社会人』へ」:「学生」と「社会人」の違いを明確にし、社会人に求められるビジネスマナーの基本を習得する

東条によると恩田君の受講態度は「決してほめられたものではなかった」という。初回の遅刻、話を聞く姿勢の悪さ(肘をつく、足を組む、呼ばれても返事をしないなど)、他社の参加者と交わろうとしないかたくなな態度・・・。「こんなセミナー、会社から行かされているから来ているんだ」「俺はゲーム開発の仕事をやるために就職したんだ。こんなセミナーなんか必要ない」という気持ちが彼の挑戦的な目に現れていた。この状況は3回のウォームアッププログラム、入社時のスタートダッシュプログラムにおいても変わらなかった。
東条は、キャップ社に対して「恩田君は挨拶ができない、態度が悪い、反発心が強く挑戦的な目を送ってくる」とありのままを報告した。東条の報告を聞きながらキャップ社社長は絶句。「これではお客様との打ち合わせに行かせられない。適性診断の結果はなんだったんだ・・・。」落ち込んでいる社長を前に東条は続けた。「彼の表情やレポート類を見ていると、彼の中に彼なりの主義主張や、『こうしたい』という想いやパワーがあるのは理解できます。ただ、今の彼では、社内やお客様とトラブルを起こすことはあっても、受け入れられることはありません。折角の才能も力も発揮されなければないのと同じ。彼の反抗的な態度の裏にあるものを一旦表に出させて(心を開かせて)それを取り除かない限り彼は変わりません。そのためには、恩田君がこの人にだったら心を開いてもいいと思える人間が関わる必要があります。」

かくして私、中司が恩田君を担当することになった。