事業継承のための採用

自分の右腕、将来の幹部候補の採用

電子基板の製造(従業員数:80名 本社:尼崎市)

自分の右腕、将来の幹部となる人材をつくるために

同社は、電流をエネルギーにし、様々な情報を発信する製品の心臓部分となる「基盤」を手掛けるメーカー。
「試作品作成のためのPC5台分の基盤」や「大学の研究で行う実験のための基盤」など顧客によって要望は様々で、どのような要望にも応えていくため、多品種・小ロットでものづくりに取り組んでいます。
様々な基盤を作成するためには、製品を作成する装置だけではなく、責任者が各スケジュールをしっかりと把握し、指示を出していくことが必要不可欠。
それは、機械ではなく人間にしかできない仕事です。
現在は今の社長と共に会社を作ってきた先輩たちが主に仕切り、指示を出している状態。
「自分が社長になったときに、自ら考えて指示を出し、現場を仕切り行動する人間が何人いるだろうか?指示を待つ人が多いのではないだろうか。」
自分が社長になったとき会社がどうなるのか、次期社長の常務はその未来に不安を抱いていました。
しかし、常務の内には不安だけでなく、「父の代に頼ってばかりではいけない。皆が互いに考え行動することができれば、会社もよりよくなり、クオリティも向上する。そして、お客様の満足へとつながる。そのためには、会社を支える未来の主要メンバーとなる幹部をつくっていかねばならない。」という熱い想いがありました。
その熱い想いが、大学生の新卒採用に向けた当社との活動の始まりとなったのです。

常務自ら、熱い想いを語る

新卒生を採用し、将来の幹部として育成する。そして会社をよりよくしていきたい。
しかし、新卒生をどうやって採用するのか。
実は将来の幹部をつくるため、新卒生を採用したいという会社は世の中に多く存在しますが、その中で同社の場合どういった手段をとるべきか当社内で戦略が練られました。
そして、常務自ら説明会に参加し、『自分の右腕となる、将来の幹部をつくっていきたい』という熱い想いを直接学生に伝える方法を選びました。
学生に同社の現状と将来を正直にありのまま伝えることで、集まった学生たちからは、「経営者から直接聞く話は大変興味深く、イメージしやすい」「経営者の考えを聞き、その熱い想いに触れ、自分もここで成長したいと思った」との声を多く得ることができ、好評でした。
また、常務は説明会だけではなく、選考も一次選考から参加しました。
「今度は企業側・経営者の想いを伝えるだけでなく、学生側の考えや想いも直接聞かせてほしい。それに、自分の右腕となる将来の幹部を採用するなら、直接会って話しがしたい」という想いがあってのことでした。
その結果、その年の目標人数である1名の採用に成功。その後も毎年1名ずつ採用し、現在は3名の新卒生が活き活きと働き、活躍しています。そして、今は4期生の採用活動に取り組んでいます。

新卒採用により、会社は変革していく

新卒採用により会社内部も大きく変わりました。
「新卒生を育成するために今まで以上に教育に力を入れました。また、新しい後輩が入ることによって既存の社員にとっての刺激になり、新卒生は会社の活性剤になっています。」
今までは基本的に現場で仕事を見て覚えるように指導していたところを、上司の下でしっかりと知識をつけてから、現場をまわるようにしました。
また、週1~月1にミーティングを行い、各課題を共有する制度を導入。
そして、新卒生を採用した一番の変化は、“既存の社員が刺激を受けた”ということでした。新しい後輩として新卒生が入り、後輩には負けられない、頼れる先輩でありたい!と、今まで働いていた社員が、今まで以上にやる気を持って取り組むようになりました。その結果、社員みんなが励み、全体のレベルがあがったことで、会社をよりよくするという目標に一歩ずつ近づいていることを常務だけでなく、共に働いている社員も実感しています。
もちろん、会社だけでなく、世間と顧客も変化していくものです。
より効率化を求め、既存の考えにとらわれず新しい方法を模索していく…変革を恐れず、状況に応じて日々改善していかないと発展しないばかりか、生き残っていくことすらできないのが現状です。
「この変革は、一人で考えても達成することはできません。会社全体で取り組むからこそ改善され、より発展していくものです。だからこそ、もっと”強い”製造部門を自分の代で作りたい。そのためにも、新卒採用を私は続けていきます。」と、将来を冷静に見つめながらも、そう熱く語る常務をこれからもサポートし続けることが当社の使命です。

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